月刊僕たちの好きな高勢実乗(たかせみのる)

昭和ロマン探求家の穂積昭雪の至極個人的なブログ。

アーノネわしゃかなわんよ

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↑吉本名物『乳首ドリルせんのかい』誕生の瞬間(嘘)

 

 

ブログを開設して5日間放置状態だったのですが、密かにカウンターが回っていたみたいで。

恐らくタイトルが「月刊僕たちの好きな高勢実乗」だけに高勢実乗さんをフューチャーしたブログと勘違いした方がアクセスしてくださったものだと思いますが、すいません。高勢実乗さんについての最新情報は恐らく私からは発信できないかと思います。。。

 

そもそも「高勢実乗」って誰やねん!って人は以下を参照してください。

 

高勢実乗 - Wikipedia

 

自分も高勢実乗さんについて無茶苦茶詳しいというわけではないのですが、学生時代に戦前の映画史を研究していたことがありまして当時、特に興味を惹かれた俳優が高勢実乗で、卒論制作の時には個人的には一方的にお世話になっていた方なのです。

 

「アーノネわしゃかなわんよ」

 

このギャグ自体は『パタリロ!』でもネタにされ知ってはいたのですが、誰のギャグでいつ頃流行ったのかについては特に言及されていなかったと思います。

そのため、ずっと気にはなっていたのですが、なかなか情報がなく、偶然手にとった色川武大の『なつかしい芸人たち』で「アーノネのおっさん」=「高勢実乗」と知ったわけです。

まずね、なんというか色川武大さんの紹介の仕方がすごかったんですよ。

 

 

「以前、高勢実乗をモデルにした小説を書こうとしたことがあったが諦めた。出生も含めてあまりに全貌を掴めなかったからだ」

 

高勢実乗は何も江戸時代の人間じゃない。仮にも昭和の人間であるにも関わらず「全貌を掴めなかった」とはどういうことか。

「野生の蛇を捕まえては食べていた」というエピソードが残るの奇人なので、周りが聞けなかったのか、見栄のために自ら隠していたのか・・・。

結局、色川武大は高勢実乗の小説を書くことなく早世しているのですが、高勢実乗の実の娘、高勢ぎん子にもインタビューしているはずなので、世に出なかったのは本当に悔やまれる。

個人的に死ぬまでに一度は見ておきたい映画に『勝利の日まで』という終戦の年に作られた作品がある。

 

以下、Wikiの転載になるが

あらすじ

戦線慰問のために博士(徳川無声)は慰問爆弾(笑慰弾)を開発する。それは戦地に向けて発射し、爆発すると芸能人が現れて得意芸を披露するというものだ。高峰秀子が飛び出して歌を歌ったり、古川緑波が出てきたら声帯模写を演じ、エンタツアチャコは漫才を披露する。だが、一弾だけ不発し海底へ。そこには高勢実乗が乗っており、得意のギャグ「アノネオッサン、ワシャカナワンヨ」と言いながら沈んでいくのであった……。

 

出演者は徳川夢声高峰秀子古川緑波横山エンタツ花菱アチャコ榎本健一山田五十鈴などなど当時の大スター達。

こんな超豪華メンバーが集まっている映画で真打の芸を打てるほどの人物は当時誰もいなかったはずだ。

そこで用意されたのが「アーノネのおっさん」。つまり「ギャグパワーで無理やり締める!」という判断に至ったのは至極当然と思われる。

戦中にこのセンスが理解されたのかは不明だが、当時の映画界ではそれだけ高勢実乗の絶対的な爆発力と知名度は凄かったということだ。

残念ながら当の高勢実乗は『勝利の日まで』公開の2年後の1947年に亡くなっているのだが、その死は意外なほどにひっそりとしたものだったという。

 

『勝利の日まで』はフィルムが処分され出演者もスタッフも全員が鬼籍入ってしまったため映画の全貌は今は90歳以上になっているであろう、当時の観客の記憶にしか残っていない。

 

色川武大の取材メモ、そして『勝利の日まで』。

 

このふたつはドラゴンボールを集めてでも是非一度は見てみたいものだ。

 

 


高勢實乘たかせみのる 《オッサンの森の石松》 字幕入り編集バージョン